カルティエの展示会「カルティエ、時の結晶」へ行ってきました。
展示方法が面白くストーリー性があってとても良かったです。
まるで地下に潜ってきれいな宝石の山を見つけたような気持ちになりました。
図録も購入したので家でもゆっくり楽しみたいと思います。
カルティエ、時の結晶の展示会の概要
日時:2019年10月2日から12月16日
場所:国立新美術館
カルティエの展示会は国立新美術館で開催されました。
国立新美術館自体もとてもきれいな建物ですよね。昔この近くに住んでいたので懐かしかったです。
平日の夜に行ったのですが、お客さんは割と多かったです。休日には結構混雑しそうですね…!
では早速展示会の中に入っていきましょう!
展示会の中は撮影禁止でしたので、図録の写真でイメージをお伝えしますね。展示会の中でも一部は撮影OKでしたので、そこは写真たっぷりでご紹介します!!
イントロダクション/逆行時計
入り口を入ってすぐに目に入ったのは、広い空間に圧倒的な存在感でたたずむ逆行時計です。
動力は2つの吊り下げられた大きな水晶で、逆行時計と言う名前の通り、時計の針が逆に動きます。
ただ展示では動いているところは見られませんでした。
以前、世にも奇妙な物語で逆行する時計でどんどん記憶がよみがえっていくと言う話がありましたが、そんな不思議なストーリーがこの時計で生み出されそうです。
序章:時の間ミステリークロック、プリズムクロック
会場の暗闇に浮かぶいくつもの光の柱の中に、ミステリークロックが1つずつ展示されていました。
ミステリークロックとは、目の錯覚を利用した時計で、針が宙に浮いているように見えます。
展示されている作品は1920年代からのものです。
子供の頃に、東急ハンズで消える貯金箱(中に鏡が貼ってあって硬貨が消えて見える)を初めて見たような新鮮な驚きがありました。
デザインもいろいろあり、シンプルなものから、中国の絵画をイメージするようなものまで、幅広いです。
それぞれ宝石が散りばめられていて、とってもきれい。
第1章:色と素材のトランスフォーメーション
第1章ではプラチナやゴールドなどの素材や色石との組み合わせに焦点を当てた作品が展示されていました。
プラチナを宝飾品に使うようになって、細かいデザインが可能になったと説明されました。
こういうティアラの細かな彫金はプラチナだからこそできることです。
イエローゴールドとホワイトゴールドとピンクゴールドを見事に合わせたトリニティのブレスレットも展示されていました。トリニティは素材の組み合わせがとても綺麗ですよね。
また色石を使った鮮やかなアクセサリーもたくさん置いてありました。
トッティフルッティー(フルーツ尽くし)と言うデザインが印象的で、目を引きました。
宝石1つずつにも飾り彫りが施されてフルーツの形になっているんですよ。
当時は緑や青の組み合わせは下品とされていましたが、カルティエはそれを積極的に取り入れて新しいデザインを生み出していきました。
第2章:フォルムとデザイン
第2章で1番印象に残っているのは、大きなダイヤモンドが中央にセッティングされているブレスレットです。
そのダイヤモンドの大きさはなんと128.48カラット。
個人のコレクションなのだそうですが、これを所持している人はどんな人なのでしょう。
第2章はよりデザインに焦点が当てられた感じです。
曲線や幾何学的模様などを取り入れて、アクセサリーでこんな形を表現できるんだと思いました。
スピード感やなめらかな動きなどアクセサリーには到底取り入れられなさそうなものをモチーフにするデザイナーさんの才能が凄いです。
また展示方法も面白くて、自分が地下に潜って色とりどりの宝石を発見しているような気持ちになりました。宝石を採掘している白雪姫の7人の小人みたい。
パンテール:タイムレスの象徴
第3章へ行く前にパンテールの展示がありました。
パンテールとは豹のモチーフのことです。
カルティエはパンテールを積極的に用いました。
カルティエと言うと動物のモチーフが多いですが、かわいい動物ではなくパンテールだったり蛇やワニといった少し辛口の動物が多いのですよね。
パンテールは今まで抑圧されていた女性たちのこれからの新しい時代の象徴です。
自由で自立した野生のパンテルに女性の夢や希望を重ねあわせました。
カルティエアーカイブ:ルイ・カルティエの好奇心
カルティエアーカイブでは、カルティエが収集した資料が展示されていました。
日本の浮世絵や翡翠の羽など珍しいものがたくさんありました。
こうした世界中から集められた品々がデザイナーのインスピレーションに役に立ったのだと思われます。
好奇心を持つ事はデザイナーにとって必要不可欠だったのですね。
第3章:ユニバーサルな好奇心
ユニバーサルな好奇心の3章では写真撮影がOKでしたのでたくさん撮りまくりました。
展示方法が横になった大きな木のうろの中を覗き込む感じで面白いです。最初、木製の宇宙船みたいと思いました。
展示方法がとてもユニークなのです。
日本や中国、アフリカ、エジプトなど世界各国からインスピレーションを得たアクセサリーが展示されており、思わず見入ってしまいます。
特に蛇や虎など動物モチーフは可愛らしく豪華でした。
文章よりも見たほうが早いと思うので写真たっぷりでお伝えします。
でも、実際に見るのと写真で見るのはどうもやっぱり違いますね…。
私のカメラの腕だと魅力を伝え切れないのが惜しい。
バードと名付けられたブレスレット。結構大きいです。ダイヤが光り過ぎていて上手く撮れなかった…
オウムリング。4.61カラットのクッションシェイプのイエローダイヤが使われています。
8匹の鳥のネックレスです。サファイア、エメラルドの青と緑が綺麗です。
ヒスイ、アメジスト、ダイヤが使われたネックレスです。写真だと分かりにくいですが、中央が紫で藤の花みたいで綺麗だなと思いました。
フラミンゴのブローチです。トゥッティフルッティと同じ色合いで可愛い。フラミンゴというとラスベガスにあるホテルを思い出します。
モナコの大公宮殿のコレクションに加えられているティアラです。合計49カラットの大振りなカボションカットのルビーが煌めきます。大きなキャンディみたいで綺麗です。
オーキッド(蘭)のブローチ。アメジストやアクアマリンが使われています。
スネークのネックレスです。今回展示されていた蛇のネックレスの中で一番華奢で繊細な見た目でした。
イエローゴールドがベースのスネークです。何といっても目をひくのは、41.99カラットのトパーズです。ヘビが宝物を守っているみたいですね。
51.48カラットのオパールです。深いブルーでずっと見ていたくなります。
蛇が凄い迫力でした。ちりばめられたダイヤモンドの数が凄い。鱗の部分がエナメルの赤、緑、黒になっていました。
28.15カラットのドロップ型エメラルド。オズの魔法使いのエメラルドシティに出てきそうな輝きです。
小さな蛇が巻き付いたような形のブレスレット。星の王子様に出てきた小さな蛇はこんな感じだったんじゃないかな。
こちらはヴァニティケースです。少し暗くて見にくいですね‥
合計で40.91カラットになる5つのダイヤに彫刻が施されています。カルティエは彫金技術にも優れています。
梅の花が描かれたブレスレットです。日本風ですね。
珊瑚や灰色柘榴、ラピスラズリなどが使われた中国風の時計です。木に咲いた花の部分とか細かい技術です。
竹を模したネックレスとブレスレットです。竹もアクセサリーにできるなんて普通にすごいと思います。
タンザナイトが連なった迫力のネックレスです。
37.06カラットのオパールを龍が守っています。神秘的な色合い。
飾り彫りが立派な龍のペンです。こんなに立派なペンは中々使えない…
タイガーがたくさんいます。イエローダイヤモンドとオニキスが綺麗に使われています。
だらーんとしているタイガー。こちらはクリップブローチ
タイガーのネックレス。猫みたいで可愛らしく感じました。
タイガーの下には86.85カラットのイエローベリル。昔の映画のオープニングのライオンが吠えているシーンを思い出しました。
結構大きいですが指輪です。8.11カラットのパパラチアサファイア。(オレンジがかったピンク)
ヒスイとアメジストとダイヤが使われています。つぶつぶがドロップみたい。
トゥッティフルッティのブレスレットですね。この色合いは何度か登場しているので、見ているうちに好きになってきました。
91.01カラットのエメラルド。大きい!オニキスとダイヤも使われています。
アフリカをイメージしたネックレス。
これはドラゴンフルーツを連想してしまう・・使われているのはなんとルビーの中でも価値の高いスタールビー。
スカラベのブローチです。とてもきれいで見入ってしまいました。
スカラベのモチーフの作品は結構多かったです。
とても豪華なネックレスです。優雅なデザインですね。
ティアラかと思いきや、ヘアバンドらしいです。こんな豪華なヘアバンド初めて見た。
第3章の中で一番気になったのがこのネックレス。68.82カラットのシュガーローフルベライトが使われています。とにかく綺麗の一言に尽きます。
きらきらのワニさん。可愛いです。9.03カラットのエメラルドを持っています。
クロコダイル2匹をくっつけてネックレスにすることが出来ます。発想がすごいです。
サボテン。見ていると不思議な感じです。
ミュージアムショップ
ミュージアムショップではカルティエ、時の結晶のグッズが売られていました。
すごかったのが、図録がずらっと天井まで並べられていたことです。
こんなおしゃれな本棚家にも欲しい!と思いましたが、同じ本だけ並べると言うのはちょっと不便ですね。
この図録全部売れるのかなあ。私も1冊購入して帰りました。
カルティエの図録は単にアクセサリーの名前の写真を並べただけではなく、そのアクセサリーからイメージされるものの写真も並べてありとても興味深いです。
お菓子を食べながらパラパラ見るのに良さそう。
カルティエの展示会は一度行く価値あり/とても良かったです
カルティエの展示会に今回初めて行ってみたわけですが、とても良かったです。
展示方法も凝っていて物語の中に迷い込んだような気がしました。
宝飾品が好きなら一度行ってみる価値があります。
この展示会で買った図録を見るのが楽しくてついつい手に取ってしまいます。
図録だけ購入するというのもありかも。