指輪の美術館に来た花嫁さん。
ここでは婚約・結婚指輪の歴史を展示しています。
この指輪素敵!私も婚約したらもらいたいなー
それは革新的な技術でセッティングされた、ダイヤの指輪ですね。
あっ、こっちは手がデザインされているよ。
これ昔の指輪なの?なんで手なんだろう?
それはフェデリングですね。モチーフにも意味が込められています。
指輪の由来や歴史を見ていきましょう。
昔の結婚指輪も、素敵なデザインがいっぱい!
結婚指輪の歴史と共に見ていきましょう。
結婚指輪の歴史を知ろう
今はどこもプラチナ製のダイヤの指輪が多いけど、昔からそうだったの?
いえ、今では当たり前とされているダイヤの指輪も、実は日本に入ってきたのは割りと近年のことです。
また古代ローマでも使われていたのは金や鉄などです。
結婚指輪はいつから始まった?
まず結婚に関する指輪は、古代ローマの婚約指輪までさかのぼります。
結婚指輪は婚約指輪よりも、後に登場します。
9世紀に、ローマ教皇が指輪を結婚の証拠として公に見なしました。
庶民に広く普及したのは19~20世紀頃だそうです。
結婚指輪の習慣が日本に入って来たのはいつ?
日本では比較的最近で、高度経済成長期と欧米の生活スタイルが入ってきた60年代頃です。
最初はまだダイヤではなく、パールの方が主流でした。
ダイヤは輸入が解禁され、また70年代にテレビCMの宣伝(特にデビアス社)がヒットし、その後ダイヤの指輪は広がりました。
結婚指輪の素材は昔からプラチナ?それとも違う素材?
今では主流のプラチナですが、昔の結婚指輪はプラチナ(白金)よりも、ゴールドやシルバー、鉄が多いです。(時代にもよる)
プラチナ自体の歴史は長いですが、元々は工業製品に使われていました。
プラチナが宝飾品に使われるようになってきたのは19世紀ごろで、当時工業品だったプラチナを積極的に宝飾品に取り入れはじめたのはカルティエです。
白い色がダイヤにぴったりで、また柔らかさなども扱いやすかったので、デザインの幅も広がりました。
ゴールド(金)については昔から非常に高級品で、2世紀の古代ローマでは婚約時に金の指輪が使われました。
昔は鋳造よりも鍛造の指輪が多かった?
もともとは鍛造の指輪の方が主流ですが、今ではほとんどが鋳造の指輪です。
鍛造は日本刀を作る際にも用いられています。
鍛造と鋳造はどう違うのでしょうか。
大まかに言うと、鍛造は金属を圧縮して成形する作り方で、鋳造は金属を型に流して成形する作り方です。
コストは鍛造の方が高めですが、圧縮するので強度があります。
鋳造はコストが安めで大量生産が可能、デザイン性も高いです。
同じ金属でも、成型方法によって強度やコストなどが違うんですね。
結婚指輪の高級ブランドの歴史を詳しく知りたい!
結婚指輪憧れの高級ブランドは、何を思い浮かべますか?
え~多すぎて決められないけど、まずカルティエとティファニーとハリーウィンストンで
そ、そこまででいいですよ……
憧れる人の多い有名高級ブランドですが、実は結婚指輪含めた現代のジュエリーの、デザインやセッティングなどに大きく影響を与えました。
それぞれのブランドの歴史を大まかに見ていきましょう。
カルティエの歴史
1847年、パリでルイ=フランソワ・カルティエにより創業されました。
世界で初めて本格的なプラチナをジュエリーに用いたブランドです。
そのプラチナから創造した繊細で美しいガーランドスタイルは、カルティエの傑作ジュエリースタイルの一つ、そのうちの一つであるスクロールティアラはベルギーのエリザベート王妃が所有していました。
ナポレオン3世の妻、ウージェニー皇后は宝石好きやファッションリーダーとして知られていますが、彼女もカルティエの顧客でした。
ティファニーの歴史
1837年、ニューヨークでチャールズ・ルイス・ティファニーにより創業されました。
最大かつ最高級のイエローダイヤモンドのジュエリーを作ったり、ダイヤを6本の爪で支えるティファニーセッティングを考案しました。
美しく輝きを取り込むティファニーセッティングは、婚約指輪の王道スタイルとして憧れの的になっています。
ハリーウィンストンの歴史
1932年、ニューヨークでハリー・ウィンストンにより創業されました。
ダイヤを立体的にセッティングし、宝石そのものを重ねてジュエリーをデザインする、クラスター技法を編み出しました。
また初めてアカデミー賞の授賞式でジュエリーの貸し出しを提案し、スターたちのジュエラーとも呼ばれました。
芸能人にも愛用者が多いです。
高級ブランドの歴史は展覧会などで知ることができる
ティファニー、カルティエなどの高級ブランドの歴史は、展覧会に行くとよく分かります。
最近ではショーメやシャネル、エルメスなども開催しました。
展覧会に行けなくても、図録などを見るのも楽しいです。
12月16日まで六本木の国立新美術館で開催中の「カルティエ、時の結晶」では70年代以降の比較的近年の作品が中心です。
日本では10年ぶりの展覧会の開催です。
展示作品の約300点のうち約半数が顧客などの個人蔵のもので、新素材研究所とのコラボレーションの展示もあったりと新鮮な雰囲気がありつつも、カルティエの歴史を感じられる展示になっています。
もうすぐ終了なので未見の方はぜひ!
結婚指輪のデザインの歴史
結婚指輪はそれぞれの時代や国ごとに、人気のデザインがあります。
オーダーメイドの参考にもなるかも?
世界の指輪やアンティークな指輪を紹介します。
- フェデリング
- ポージーリング
- リガードリング
- ギメルリング
- スネークリング
- シグネットリング
- クラダリング
フェデリング
2~3世紀のローマで流行、握り合った手がモチーフのデザイン。
フェデはイタリア語で忠実や信頼を意味し、握り合った手は愛と共にそれを表しています。
ポージーリング
13~18世紀のヨーロッパで流行、裏側に詩や愛の言葉が刻まれたデザイン。
リガードリング
別名アクロスティックリング、頭文字を繋げるメッセージを、宝石で表した指輪です。
リガード(REGARD)なら、ルビー、エメラルド、ガーネット、アメジスト、ルビー、ダイヤモンドです。
ギメルリング
16~17世紀のヨーロッパで流行、パズルのように複数のリングが重なり、一つのリングになっているデザインです。
スネークリング
19世紀のヨーロッパで流行、モチーフである蛇は、古代から縁起の良い動物として知られており、デザインは様々あります。
シグネットリング
印章や紋章などを彫刻したリング、身分証明や判子としても用いられたそうです。
古代から使われていました。
クラダリング
アイルランドの伝統的な指輪で、両手とハートと王冠がモチーフです。
つける指や向きで意味合いが変わります。
結婚指輪の由来とは?意味を知ることで結婚指輪をつけたくなる!
指輪は古くからお守り、身分、魔除けなど様々な意味でつけられていました。
結婚に使われるようになったのはなぜでしょうか。
結婚指輪をするようになった由来
先程の通り、9世紀に結婚した証として認められた結婚指輪。
婚約・結婚指輪は愛の証でもありますが、婚約を契約したという証でもあり、さらに昔は服従の意味もありました。
恋人同士のロマンチックな意味というよりも、家と家との取引であり、お金の関係もあり、また時代によって略奪や売買というように本人の意思も無視して行われることもあったのが、婚約という契約でした。
好きでもない人と結婚しなければならなかったという時代もあったように、華やかな側面ばかりではなかったのです。
結婚指輪を左手の薬指にする由来
由来には諸説ありますが
- 古代のギリシャでは左手の薬指は心臓に繋がっていると考えられていた。
- 左手の薬指の第二関節に自律神経を落ち着かせるツボがある。
- 左手薬指はあまり使う指ではないので、邪魔になったりなくす心配がない。
などなどあります。
ただ国や宗教によっては、左手薬指とは限らないものもあります。
左手の薬指に結婚指輪をつけるのは外国でも同じ?
世界を見ると左手の薬指に結婚指輪をつける国が一般的ですが、ドイツやオーストリア北欧などは右手薬指につけます。
またインドや東南アジアでは結婚指輪を足に着用する習慣があり、足に着用する指輪はトゥ・リングといいます。
宗教上の薬指の指輪の意味
宗教でも異なる場合があります。
キリスト教ではカトリックは左手に、プロテスタントは右手に着用することが多いです。
また独身であっても神に仕えるという意味で、薬指に指輪をすることもあります。
例えばイタリアのシエナの聖女カテリーナは独身ですが左手の薬指に指輪をつけていました。
結婚指輪が給料3ヶ月分になった由来/これは大きな誤解
結婚指輪が給料3ヶ月分?そんなにお金はかけられないという意見がありますが、それは誤解です。
カタログを見てもわかるとおり、結婚指輪はそこまで高額なものではありません。
給料3ヶ月分と言われていたのは結婚指輪ではなく婚約指輪
よく間違えられやすいのですが、ブライダル関連の指輪には婚約指輪と結婚指輪の2種類があり、大まかにはプロポーズで見かける華やかな指輪が婚約指輪、結婚したあとに日常で着ける比較的シンプルなのが結婚指輪です。
また婚約指輪自体も3ヶ月分はかかりません。
じゃあ「給料3ヶ月分」ってのは、一体何?
婚約指輪の給料3ヶ月分は昔の名残
給料3ヶ月分の婚約指輪は、先程のデビアス社の昔のヒットした宣伝文句とも言われます。
しかしそもそも高額な指輪を贈るのには、昔は婚約指輪は婚約期間中に婚約者に何かあったときのためのとりあえずの生活費の保険が理由の一つでした。
そのため、3ヶ月ぐらいは過ごせるようにそのぐらいの値段のものが求められたという話もあります。
現在そこまでの高級品を送り合うことは少ないですが、昔は結婚は家や村自体に関わる重要なイベントでしたので、婚約記念品も重要な位置でした。
現在の婚約指輪は給料1か月分、結婚指輪は給料の1/3ヶ月分が正解
結婚指輪の給料1/3ヶ月は、1人分の結婚指輪の値段を指します。
ゼクシィ結婚トレンド調査2018では、婚約指輪の価格の平均は36.5万円、結婚指輪の平均は女性13.3万円です。
まとめ/結婚指輪の由来や歴史を味わいつつ結婚指輪を選ぼう
様々な意味があった指輪ですが、今ではロマンチックな憧れの品として人気。
将来、さらにデザインや素材にバリエーションが増えることも予想されますね。
ただいまー!
おかえり、なんだか楽しそうだね。
あっそうそう、なんで左手薬指に結婚指輪を着けるのかというとね、一説には古代のギリシャでは左手の薬指は心臓に繋がっていると考えられていたって説があるんだって。
??
あとね、2~3世紀のローマで流行したフェデリングは、握り合った手がモチーフのデザインなんだって、なぜかというと
オシドリーヌさん彼女どうしたんですか!?
前よりも指輪に夢中になって帰ってきました……
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